さぁ来週から遂に6月!今年はコロナのせいで、まだ人生を楽しみきれていない感じはありますが、外出自粛要請も解かれたことだし、6月は心だけでも浮かれていたい!浮かれさせて!何故なら6月はLGBT+の人々にとって重要な月だからです。
6月は世界中でプライド月間と呼ばれていて、6月を中心に多くの国でプライドパレードや関連イベントが行われます。そこで今回は、プライドの歴史や、LGBT+のシンボルとして有名なレインボーフラッグについてご紹介していきます。
プライドとは
ここで使われる”プライド”とは、日本で使われる意味と少し違い、主に欧米で使われる”誇り”という意味です。
”プライド(誇り)”とは、「自分の性的指向や性的アイデンティティに誇りを持ち、堂々と自信を持って生きて行こう。多様性を認めて、様々なアイデンティティを持つ、全ての人を受け入れよう」という意味で使われます。プライドは”LGBT+プライド”の省略形で、プライドパレードやその前後に行われるイベントを指します。
何故6月はプライド月間なのか
6月がプライド月間と言われる所以はなんでしょう。
これは1969年6月にNYで起きた”ストーンウォールの反乱”という事件が大きく関係しています。当時のアメリカでは、イリノイ州を除く全ての州が同性間の性交渉を禁止していて、男性同士がダンスをする事さえも(!)1971年までは違法でした。同性愛者にお酒を提供しただけでアルコール類の販売免許を没収されるという法律もあった為、入口に”同性愛者入店禁止”と書いてあったバーもあったそう。
ストーンウォールの反乱
そんな中、LGBT+コミュニティが形成されていたNYに、ストーンウォール・インという人気のゲイバーがありました。1969年6月28日の早朝、ここに踏み込んだ警察に、お店にいた人達が集団で自己の尊厳を訴え、力づくで抵抗し、7月2日に沈静化するまでの5日間、激しい抵抗が続きました。多くの負傷者を出し、逮捕者も出たこの事件は、同性愛者たちによる前例にないレベルの抵抗で、2000人を超える人が関わったとされ、アメリカにおける同性愛者の人権獲得運動を盛り上げる、決定的な事件になりました。
その為、6月をプライド月間とする場所が多いんですね。6月最後の週末は、特に記念すべき日とされています。
※歴史的事件の現場となったストーンウォール・インは現在も営業しています。現在ではLGBT+にとって聖地とされ、2016年6月、ストーンウォール・インとその周辺が、アメリカ初のLGBTQ国定文化遺産保護地域に指定されました。
2000年にはクリントン元大統領が「6月はアメリカ国内の”Gay and Lesbian Pride Month(ゲイとレズビアンのプライド月間)”である」と宣言、2009年6月1日にはオバマ元大統領が「6月は”LGBT Pride month(LGBTのプライド月間)”である」と宣言しました。
ちなみに去年”ストーンウォールの反乱”から50周年を迎え、ニューヨークのプライドはこれまでで最大規模のものとなりました。
プライド月間の6月を前に発表された、2020年のゲイアンセム
今年、そんなプライド月間の6月を前にリリースされた、LADY GAGAとAriana Grandeの”Rain On Me”は、早くもゲイアンセムとして不動の位置に立ちつつあります。LGBT+の権利を長年指示してきた最強歌姫たちによるこのコラボレーションは、楽曲の解禁前からかなり話題となっていて、音源が公開されるやいなや、twitterなどで賞賛のコメントが沢山寄せられています。
Lady Gaga, Ariana Grande - Rain On Me (Official Music Video)
去年はプライド月間の半ば、テイラースウィフトが”You Need To Calm Down”のMVを公開して話題に。これでもか!というほど沢山の豪華LGBT+タレントや著名人が出演し、ゲイアンセムの歴史に名を刻んだとも言われていますが、今年は”Rain On Me”の年になりそう。
プライドのシンボルカラーがレインボーなワケ
LGBT+のテーマカラー=レインボーと認識している方は多いかもしれませんが、何故レインボーなのか知っていますか?実はそれぞれの色に意味があります。ちなみに何故一般的な7色のレインボーでなく、6色のレインボーなのでしょう。
6色レインボーの歴史
1978年、同性愛者を公表していたアメリカ、サンフランシスコ市の市会議員だったハーヴェイ・ミルク氏から依頼を受けて、アーティストのギルバート・ベイカーがサンフランシスコのプライド向けに作った最初のフラッグは8色レインボーでした。このレインボーは、LGBT+コミュニティから圧倒的支持を受けていた女優のジュディ・ガーランドが出演した映画、”オズの魔法使い”で歌う”虹の彼方に (Over the Rainbow) ”にインスピレーションを得たといわれています。ジュディは1960年代当時、同性愛者への理解を表明していた数少ない著名人でした。
しかし、当時ピンクの生地を調達するのが難しかったために取り除かれ、プライドの演出の関係で1色減らす際にターコイズもなくなり、藍色が青に変わり、現在の6色レインボーになりました。
近年は、あらゆる人種を受け入れ、HIVやエイズへの理解を求めるために、このレインボーに黒と茶色が含まれることもあります。多様性を表すレインボーカラーですが、LGBT+関係なく、誰にでも当てはまる良い意味が込められてるなぁ、と私は思います。
今回はプライドについてご紹介しました。次回は、これから行われる2020年、世界のプライドをご紹介します。新型コロナウィルスの影響で、例年通りのイベントを取り止めなければいけない国、地域がほとんどですが、新しい取り組みを始めた団体もあるのでお楽しみに♡